野暮を承知で
2009-10-27


我ながら「野暮なことを書いてしまったなぁ」と恥ずかしくなってしまったけれど、
途中でやめてしまうのもナンなので、続きを書きます。

「笑ふ戦国史」の最初のコントについて。解説の続きです。

4「扇谷上杉・山内上杉」
 名門・上杉家(旧勢力)を破壊する、早雲(新勢力)、という歴史的意味を表しています。

5「お前も、若いのに、古い考えにとらわれておるのう」
 おそらく、このコントのツボとなる一言はこれです。
 ここまでの時代、人々は「幕府によって与えられた権威」や「家柄」「格式」というものに従っていました。
 それを「古い考えだ」と言い放ち、実際に権威に楯突く行動に出るのが北条早雲。
 早雲をネタに取り上げる場合、この視点が欠けていたら、どんな面白いコントでも、
 カッコイイ漫画でもゲームでも、それは意味がないんじゃないか……と私は思うんですね。
 逆に言うと、この視点さえちゃんと押さえていれば、他はかなり無茶をしてもいい、とね。

6「新自由主義」「グローバル・スタンダード」「下剋上」
 時代を超えたこの三つのキーワードを並べることで、
 「下剋上」を現代感覚で理解できるよう意図しています。
 くわえて、21世紀の今の世の中は、要するに「下剋上」なんだ、と藤井青銅は思うんですね。
 重厚長大産業や、国に保護された金融・放送、官僚機構…なんていう旧勢力は「守護大名」で、
 一代でのしあがるネットやベンチャー企業は「戦国大名」に重ね合わせることができるのではないか、と。

7「火牛の計」
 これも、もちろん史実です。木曽義仲の倶利伽羅峠というのも史実です。

…とまあ、言わずもがなのことを書いてしまいました。ホント、野暮ですねえ〜。
各コントには、こんなふうに最低4〜5ヵ所の「歴史理解のための仕掛け」が入ってるんです。

「笑ふ戦国史」を読んだ、とある歴史通の方が、
「これは教科書の副読本にいい」
と感想を述べたのは、そういうことなんでしょう。

よろしかったら、読んでね。
[戦国]

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